業界環境の説明

食品容器業界

プラスチックの食品容器は、その樹脂の原料や素材の特性で様々な種類の容器があります。ポリスチレン素材では、PSP(押出発泡ポリスチレンフォーム)容器、OPS(二軸延伸ポリスチレン)容器、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)容器などがあります。他にポリプロピレン容器、発泡ポリプロピレン容器、PET容器があります。昨今では、バイオマス(植物)由来の原料を用いた容器や、リサイクル原料を使用した容器も使用されます。

JSPが主に手掛けているのは、スチレンペーパー(PSP、押出発泡ポリスチレンフォーム)容器で、主に白色の常温で用いられる容器が中心です。電子レンジで使用できる耐熱性の高いポリプロピレン容器に近い物性を発揮できるPSPの耐熱グレードなども市場に投入しシェア拡大に努めています。

また、プラスチック食品容器のリサイクルは業界にとっても大きな課題となっており各社で回収やリサイクル原料の使用など環境負荷低減に向けて取り組んでいます。

JSPは、発泡スチレンシート工業会(https://www.jasfa.jp/)の会員です。

発泡スチレンシート工業会は再生資源の利用の促進に関する法律の立法化に伴い、通産省通商産業省(現:経済産業省)の指導のもとにトレー回収・再資源化事業を主たる目的として平成3年に設立されました。

住宅・建築用断熱材業界

住宅・建築用断熱材には、主にグラスウール、ロックウール、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)断熱材、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)、硬質ウレタンフォーム、セルロースファイバー、フェノールフォームがあります。それぞれの素材の物性などにより、壁、床、天井など様々な部位の断熱材として使用されます。

JSPが手掛けているのは、ミラフォーム®(押出法ポリスチレンフォーム(XPS)断熱材)とスチロダイア®成型品(ビーズ法ポリスチレンフォーム)です。当社を含む押出法ポリスチレンフォーム(XPS)断熱材メーカー各社は、高断熱グレードの製品やプレカット品の販売拡大に注力し、他素材に対する競争力を高めています。ネダフォーム®は、戸建て住宅の根太床の断熱材として多く採用されています。

省エネに関する情報

JSPは押出発泡ポリスチレン工業会(https://www.epfa.jp/)の会員です。

押出発泡ポリスチレン工業会は、快適な省エネ生活を実現するために、安全性の確保と環境負荷低減を念頭に、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)断熱材の普及に努めています。

EPS(発泡スチロール)業界

EPS(発泡スチロール)は、各種容器、緩衝材・部材用途、建材・土木用途と私たちの生活の様々なシーンで幅広く使用されています。容器としては、水産用途や農作物用途になります。

水産用途が最も高比率ですが、漁獲量の増減の影響を受けます。エレクトロニクスなどの産業用緩衝材は、電子部品の需要動向に左右されます。断熱材用途としては、前述の通り住宅の省エネルギー化の需要が高まっています。他には、ビーズクッション用途など新たな用途が拡大しています。

JSPは発泡スチロール協会(https://www.jepsa.jp/)の会員です。

「発泡スチロール協会」の前身「発泡スチロール再資源化協会」は、廃棄物問題が深刻化している状況に対処するため、EPS原料メーカーの組織「発泡スチレン工業会」とEPS成形メーカーの組織「日本フォームスチレン工業組合」が協力して、1991年に設立されました。

自動車部材業界

自動車用樹脂のマーケットでは数多くの種類の樹脂が使用されています。 主に汎用樹脂(PP、HDPE、PVC、ABS)と汎用エンプラ(PA6、PA66、PC、POM、PBT、変性PPE)に分けられます。汎用樹脂はおもに外板や内装材用途に使用され、汎用エンプラは、電装品やエンジンルームの中などでも使用されます。これら自動車用樹脂のマーケットは自動車の世界生産台数に連動して推移しています。

JSPが取り扱う発泡ポリプロピレン:ARPRO®/ピーブロック®は、外装品としてバンパーコア材、側突パッドなどに使用され、内装材としてはリアシートコア材、トランクルーム内のツールボックス、サンバイザー、ヘッドレスト、嵩上材、ティビアパッド(乗員保護材)などで使用されています。自動車メーカー各社様からは軽量性、衝撃吸収性、吸音性、断熱性、リサイクル性など発泡プラスチックの持つ様々な機能を評価されており、今後の自動車の電動化や自動運転技術の普及、リサイクルなど業界の大きな変化にも対応できる製品です。

また、JSPのラインアップにはスチロダイア®成型品(ビーズ法ポリスチレンフォーム)、発泡性ポリエチレン/ポリスチレン複合ビーズのエレンポール®NEOも用意しており。性能や価格などに応じた幅広い用途に応えています。 リサイクル性、軽量性などの観点から、他素材から発泡プラスチック製品への切り替えが進んでおり、1台当たりの発泡プラスチック製品の使用量増加に伴い、自動車の世界生産台数以上に数量を伸ばしています。

産業用緩衝材・梱包材業界

梱包材・包装材の業界は木箱から段ボール、ポリ袋、紙まで用途や種類が数多くあります。 梱包材で代表的なものでは段ボール、袋、木箱、フィルム、プラスチックコンテナ、パレットなどがあります。 緩衝材で代表的なものでは気泡緩衝材、発泡緩衝材、紙緩衝材、空気緩衝材、ウレタン、スポンジ、発泡スチロールなどがあります。物流に関する幅広い用途で使用されます。

JSPが取り扱うのは、発泡ポリエチレンシート:ミラマット®、気泡緩衝材:キャプロン®、発泡ポリプロピレンボード:Pボード®などがあります。用途としては、自動車部品梱包、医療機器や精密機器の梱包材、フラットパネルディスプレイの表面保護など幅広く、汎用品から高付加価値な製品まで幅広く揃えています。

プラスチック業界全体について

近年、地球温暖化防止のCO₂削減対策として「低炭素社会」がクローズアップされ、「循環型社会」と「低炭素社会」を両立させる「持続可能な社会」の実現が、地球規模の大きな課題となっています。

国際エネルギー機関(IEA)は2021年5月18日に発表した「Net Zero by 2050」で、2050年までにエネルギー関連の二酸化炭素(CO₂)排出をネットゼロにするためのロードマップを提示しました。IEAのロードマップでは、新規の化石燃料供給プロジェクトへの投資を即時取りやめることや、二酸化炭素排出削減対策を行わない石炭関連工場への投資決定を行わないことなどを求めています。シナリオの中で、「全エネルギー供給量における化石燃料の占める割合は、現状の約5分の4から、2050年には5分の1強まで減少します。2050年に残っている化石燃料は、プラスチックのように炭素が製品に組み込まれているものや、CCUS(二酸化炭素回収・貯留技術)を備えた施設、低排出技術の選択肢が少ない分野で使用されている。」「一部の地域では近年、使い捨てプラスチックの使用を控える傾向にあるが、この傾向はNZE(ネットゼロエミッション)ではさらに加速する。」とシナリオの中で記しています。プラスチック業界は世界規模でリサイクルや生物由来、生分解性など様々な対応が迫られています。

日本では、プラスチック製品の製造から廃棄までの資源循環を促し、廃棄量削減に向けての取り組みを目的とした、プラスチック資源循環促進法が2022年4月に施行されました。この法律が制定された背景には、海へ流出した海洋プラスチック問題、プラスチック製品を製造する過程や廃棄の焼却にて発生した二酸化炭素による気候変動などの環境問題があります。

JSPは社会的要請に対応するとともに製品を通じた環境負荷の低減という貢献で企業としての成長を図ってまいります。

JSPは日本プラスチック工業連盟(http://www.jpif.gr.jp/index.html)の会員です。

日本プラスチック工業連盟は我が国のプラスチック産業における代表組織として、原料樹脂、成形加工、使用済製品の処理に及ぶ広範な関連諸問題につき、業界内のみならず、業界外の対応を含めて活発な活動を展開致しております。

JSPはCLOMA(https://cloma.net/)の会員です。

CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)は、業種を超えた幅広い関係者との連携で、地球規模の課題である海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた取り組みを行っております。

JSPは各業界の工業会や連盟に加入することで、JSP単独でできる事に加えて、企業の枠を超えた業界団体としての貢献や社会の課題解決に取り組んでまいります。

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